∞霧無彦∞お気に入りの「白犬印」文庫8点
『御馳走帖』
内田百間(中公文庫)
稀代の食いしん坊百鬼園大王が、御馳走とその味の数々を滋味豊かに綴った名随筆集

『随想集 光と翳の領域』
串田孫一(講談社文庫)
30年に亙って書き綴ってきた文章の中から、著者自らが編んだ珠玉の随筆48篇

     
『私説東京繁昌記』
小林信彦/荒木経惟(写真)(ちくま文庫)
今を去る30年前の東京を著者独自の視点で捉え直した、《〈繁昌〉は反語であり、アイロニーである》とする〈極私的東京史〉

『虫類図譜』
辻まこと(ちくま文庫)
《苦悩 苦痛があるとやってきて食べてくれる虫。おおまだいたかい……と声を掛けると、はずかしそうにでていくが、気がつかないでいると、いつまでも居候をきめこむ。》人間の真の姿を、虫に託して表現した風刺画文集
     
『鳥の物語』
中勘助(岩波文庫)
雁、鳩、鶴、ひばり、鶯、白鳥、いかる、鷹、鵜、鷲、雉子、かささぎの12話から成る、著者自身が最も愛したとされる短篇集

『猫町』
萩原朔太郎(岩波文庫)
『詩集 青猫』のモチーフから描かれた「猫町」をはじめとする、短篇、散文詩、随筆18篇から成る小品集

     
『用心棒日月抄』
藤沢周平(新潮文庫)
時代小説家であった著者の、新たな一面を切り拓くことになった記念碑的連作の第1作

『父の詫び状』
向田邦子(文春文庫)
作家として登場するきっかけとなった「銀座百点」に寄せたものを単行本化した、のちに《向田邦子は突然あらわれてほとんど名人である》と評された著者の第1エッセイ集